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非破壊検査と拡張現実技術を融合させた新しいインフラ維持管理支援サービス
コンクリートの塩害は主要な劣化要因の1つと考えられます。凍結防止剤や潮風の影響等により、塩分がコンクリートに浸透することで鉄筋腐食等の劣化が進行するため、早期対策が求められております。従来のコンクリート塩分濃度調査技術は、チョーキングにより塩分濃度測定予定場所を指定し、ドリル削孔によりサンプル粉末を取得し、化学分析により塩分濃度を測定していました。このチョーキング・ドリル削孔・化学分析の主な作業は以下の通りで、多大な労力・時間を要することが課題でした。~各工程における主な作業~・チョーキング:寸法測定作業・マーキング作業・ドリル削孔:ドリル削孔作業・埋め戻し作業・化学分析:塩分濃度測定作業・報告書取りまとめ作業(上記工程にかかる総所要時間:約1ヶ月間(※1))
※1 測定対象規模が大きくなれば、より多くの労力・時間を要します。
上記の課題に対し、弊社グループが開発した技術は、上記のようにコンクリート塩分濃度測定前の段階で、あらかじめ測定対象のコンクリート表面に座標割付をすることで、基準位置座標マーカーをコンクリート表面に貼り付けるだけでウェアラブルグラス(Microsoft HoloLens 2)上からの位置座標投影が可能となり、従来のチョーキング作業が不要になります。そして投影された位置座標を元にハンドヘルド型蛍光X線分析計(エビデント VANTA)により塩分濃度を計測します。この操作では1点あたりの計測時間は約30秒であり、またその場で計測データを電子データで取り扱えることから作業工程が大幅に短縮可能となります。計測データは、塩分濃度可視化システム(XMAT InfraScope(※2))にアップロードすることで、ウェアラブルグラス上に塩分濃度計測データが同期され、塩分濃度計測値がヒートマップとして出力され、一目で塩分濃度の高いエリアを特定することが可能となります。
※2 現在、InfraScopeアプリは塩害診断対応用ですが、今後はその他の調査にも対応予定です。
新技術適用事例①
上記の画像は、道路橋の橋台における塩分濃度の計測結果を示したデモンストレーションです。ハンドヘルド型蛍光X線分析計を用いて取得した塩分濃度データを、ウェアラブルグラス上にヒートマップとして投影しております。従来のドリル削孔による調査では、サンプル採取数に制限があり、塩分分布を点的にしか把握できませんでしたが、本手法では面的に可視化することで、凍結防止剤(塩水)の浸透経路や滞留箇所を直感的に把握でき、予防保全の判断に役立ちます。これにより、ライフサイクルコストの低減が期待されます。尚、ヒートマップのセルサイズは任意に指定可能です。(上記画像のセルサイズは1m)
従来手法で作業時間と分析費用に膨大なコストがかかっていたコンクリート塩分濃度調査は非破壊検査方法である蛍光X線分析との組み合わせにより時間面・作業面・コスト面の何れにおいても劇的に効率がアップします。補修工事フェーズにおいても、調査データをウェアラブルグラスにマッピングすることで、コンクリートの劣化情報を直に見ながら補修が可能となり、検査結果と補修個所を紙などに書き写す等の手間が無くなり大幅な省人力化に貢献します。
新技術適用事例②
上記動画は塩分濃度可視化システム(XMAT InfraScope)のデモンストレーション動画になります。ウェアラブルグラス上のカメラからQRコード(※)を検出すると、自動的に座標割付されたマップをホログラムとして表示します。尚、ウェアラブルグラス装着者が移動してもヒートマップが表示される位置は変わりません。
※QRコードは基準座標(x,y)=(0,0)を示す
[主な機能]
・カレンダー機能
(測定日毎にヒートマップの切替が可能であり、劣化状況の把握に有効です)
・ヒートマップ移動機能
(任意に回転・平行移動が可能であり、QRコードの貼付位置が制限される現場で有効です)
・ヒートマップ湾曲機能
(トンネルのような局面にも適用可能です)
応用事例:3次元座標自動付与システムを活用したコンクリート表面塩分調査技術

LiDARとカメラを用いた自己位置推定技術(SLAM)を活用し、位置座標取得デバイス(スマートフォン+治具)により、ハンディ型蛍光X線分析計の測定位置・向きを特定可能になります。位置座標取得デバイスとウェアラブルグラスがあれば、コンクリートの塩害以外の用途の様々な非破壊検査装置にも応用可能となります。この技術を用いれば、図面で表現できない複雑な形状においても直感的に劣化部分を可視化・特定可能となります。
報告書作成支援機能
上記画像のように、Microsoft Excel上に実装されたアプリケーション(XMAT InfraScope)を活用することで、即座に報告書添付用のヒートマップ画像ファイルを作成することができるため、報告書作成作業の簡略化も可能となります。
株式会社エビデント
ハンドヘルド蛍光X線分析計”VANTA”
その場で素早く非破壊で、成分元素を分析をする携帯型の蛍光X線分析計
コンクリート構造物の維持管理において、潮風の飛来塩分や塩化カルシウム等の融雪剤散布による塩害劣化が深刻化しています。塩害による鉄筋腐食の進行予測や、それに伴う補修方法の検討のために、コンクリート中の塩化物イオン量を把握することは重要です。
一般に塩化物イオンの定量は、電位差滴定法、吸光光度法、硝酸銀滴定法、イオンクロマトグラフ法のいずれかの方法が取られます。これらの方法では、精度良く塩化物イオン量を分析することは可能ですが、現場から採取したコンクリートのコアサンプルや粉末サンプルをラボへ持ち帰る必要があり、約1ヶ月間程度の分析時間を要します。
その点、VANTAは1点あたり約30秒で測定を可能にしますので、1度に多くの箇所の塩分測定が可能となるため、調査対象エリアの塩分濃度傾向を掴むのに非常に適しております。
また、VANTAと弊社の可視化アプリを組み合わせることで、塩分を測定したその日のうちに調査対象エリアの塩分濃度マップの作成が可能になります。